チダケサシ

チダケサシという山野に生える草がある。以前見たことはあるが、記憶もおぼろげであまり印象に残っていない。夏に白い小花を多数つける地味な野草である。
奥鬼怒のみやげもの屋で夫が干しチダケを買ってきた。チダケとは「乳茸」のことで、大ぶりのきのこである。傘の下を触ると白い汁がぽたぽたと出るのでこの名がある。前に山で見たときは、おいしい、と聞いていたせいか、傘の上のやわらかな茶色と裏の白さとが気高く思えた。しかし残念ながら食べたことはなかった。
全体に濃い茶色となった干しチダケはあんまりおいしそうには見えなかった。夫がネットで調べて「チダケソバ」をこしらえてくれた。ナスをいためて、もどして細切りにしたチダケと煮て漬け汁を作る。それにそばをつけながら食べるのである。とてもおいしかった。さすがチダケと感心した。
「チダケサシ」はチダケを刺して集めるのに使ったことからついた名であるという。
よほど茎がかたいのだろうか。茎で刺してきのこを集めるのが一般的な方法だったのか。「チダケ」のそばに「チダケサシ」があることが実際多いのか。この名からいろいろな疑問が湧く。
ともかく、集めるための草にその名がつくぐらいおいしい茸だ、ということだろう。
by nabana05 | 2005-08-12 11:19 | 草と木

東京の片隅で昔ながらの緑を再現することを目指しています。活動の紹介や、地域の自然との出会いを書いています。


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