成城みつ池緑地観察会
2017年 03月 27日
この写真は世田谷区の成城、野川の流れにほど近い国分寺崖線の一角にある
「みつ池神明の森」という森で撮影しました。
ふだんは人がはいることはできない閉鎖管理地です。
手入れをしているボランティアさんも月3回程度など、入る日数が決められているそうです。
それほど厳しくしているのは、東京23区ではめったに見られない手の入っていない古い緑地だからです。
谷戸のような風景の中、湧水の小川が流れる様子は予想以上のものでした。
春の野草たちが顔を出し始めていました。
一つ一つの群落はそんなに大きくないけれど
色んな種類の野草たちが暖かな日差しをあびていました。
植物たちは決して動かすことなく出てきた場所で咲かせているそうです。
カワゲラ、トビゲラなどの水生昆虫を見せていただいたきました。
サワガニも生息しています。
水生昆虫は種類が多く、定期的に調査もされているようでした。
また土壌生物の話もうかがいました。
たくさんいるミミズの種類を専門家に同定してもらったそうです!
土壌は本来環境をはかるのにもとても重要なようですが
あまり興味を持って見ることはありませんでした。
土がほんとはその場所の環境の要なのですよね。
土壌にも目を向けて、
総合的な環境というものを感じることの価値を
教えていただきました。
お花がきれいなのは楽しいけれど、そのために植物を動かしたりすることを考えるのではなく
あくまで環境の維持を心がける。植物がどのように変化していくか、きちんとデーターを取り見守っていく。生物多様性の維持をこころがける自然との接し方は、ダイナミックな改変では決してなく、ゆっくりと見守る作業です。人間が快楽を求めるために何かを変えていくことはしませんが、下草刈りなどは行い、風や光が通るようにしていきます。これは生きもののためですが人にとっても美しい場所を作ることになります。この美しさをわかちあえる人が一人でも多くなってほしい。それが私にとっては社会を変える事になるのだと感じています。
みつ池のボランティアさんたちはこの美しさがわかる方達の集まりだと感じました。
お昼にクマザサのお茶をいただきました。
こうばしい森のめぐみが体の中にしみわたりました。